生命の起源とハイドロキシアパタイト
ハイドロキシアパタイトは生命の誕生にも関係しているかもしれません。われわれの体内で毎日、新しい血液や骨や皮膚などの組織や細胞が再生されています。
誰がどこでつくっているのでしょうか。新しくつくられる赤血球や白血球などの造血機能は、骨髄内で行われています。
この造血機能に関してハイドロキシアパタイトがリン酸の供給や触媒などの役目をしていることは推定されます。
ハイドロキシアパタイトが直接造血するわけではないのですが、血液中のアミノ酸などを吸着して脱水や脱水素触媒などの性質を利用して、
タンパク質などを合成し、細胞などを支援していることも考えられます。
生命体は、それを構成する細胞やコラーゲンなどは、有機物質です。
しかし、生命誕生以前の地球上には有機物質は存在しません。地球上には、炭酸ガス、一酸化炭素、窒素、アンモニアなどの無機の気体(ガス)がただよい、
地球本体は高温マグマなどの無機物質でありました。
数億年かけて、地球が冷え、海が誕生し、炭酸ガスや窒素などの無機ガスが太陽や雷などのエネルギーを得て重合し、アミノ酸や核酸などの生命体の素となる有機物質をつくりだしました。
さらに海ができると海中で、層状構造をもつ雲母などの粘土鉱物の層間にこれらの有機物質が入り込み、長い時間かけて相互に反応してタンパク質などを生成したと考えられます。
一方、アパタイトは層状構造ではありませんが、アミノ酸などの有機物と水素結合により化学吸着し、ハイドロキシアパタイト結晶の上でパズルのようにアミノ酸や有機物を並べる特性もあります。
同時に脱水触媒作用もあります。すなわちアミノ酸を縮重合して脱水するのです。
こうして、ハイドロキシアパタイトは、アミノ酸からタンパク合成に一役買っているかもしれません。
長い時間をかけて地球上にアミノ酸、タンパク質、脂質、糖などが徐々に増え、大気中の酸素も増えてきます。
生命体ができるまで長い誘導期間があり、粘土やハイドロキシアパタイトはその安定的な場を提供します。
ある日突然、ハイドロキシアパタイトと有機物質の複合体から生命体が発生するのです。このきっかけは、ハイドロキシアパタイトが供給するプロトン(水素原子)かもしれません。
図73に想像図を示しました。
以上、~青木秀希博士著「医療に救世主ハイドロキシアパタイト」P131転載~
青木秀希博士 略歴

図73 ハイドロキシアパタイトと生命の起源の模式図
(拙著「驚異の生命物質アパタイト」医歯薬出版1999年から)